FXの黎明期 父が歩んできたFXの歴史

FX

父親は、FXという言葉すらなく「外国為替証拠金取引」と呼ばれていた時代から現在に至るまで、退場することなく取引を続けている猛者です。

父親は当時、海外との取引を主体とした事業をやっていました。それもあってか、為替取引自体に抵抗がなかったんだと思います。

日本にFXが導入されてすぐに父親は始めました。

今では当たり前にチャートやレートをブラウザで見ること、注文することもできますが、当時はそんな便利なものはなかったんじゃないですかね。家では常にケーブルテレビで契約したブルームバーグが流れていたのを思い出します。


今思えばこれ、レートの確認手段だったんですかねー笑
取引の注文はなんと電話!

いやーすごい時代です。

もちろん、今のようにFXに関する書籍もなく、父親なりに色々な方法を試していたようですが、運も良かったんでしょうね、退場することなくなんとか続けていたようです。

爆益が出た時はどうやってうまく取れたのか、私は子供なのに詳しく解説されましたし

逆に大損したときは何故か母親から父親がどうやら負けているらしいと告げられる

そんな、刺激的な青春時代を送らさせていただきました。

という毎日でしたので、必然的に私にとって、FXは日常的なものとして存在していました。

日本におけるFXの歴史的背景

ちょっと気になったので、日本にFXが解禁された当時の様子を調べてみました。

1998年:外為法改正により個人にもFX取引が解禁

1998年4月、「外国為替及び外国貿易法(外為法)」の改正により、それまで許可制だった為替取引が原則自由化されました。

これにより、個人投資家が銀行や証券会社を通さず、FX会社と直接為替証拠金取引が可能になりました。

つまり、日本におけるFXの幕開けは1998年とされます。

そういえば、FXを知ったのは新聞の隅に記載されていた広告だったと父は言っていましたね。みつけたのは母親です。ひまわり証券(当時はダイワフューチャーズ)が主催のFX説明会だったそうです。

その説明会に夫婦で参加したのがきっかけで、父親はFXを開始しました。

FX黎明期からある主な企業

FX黎明期の1998年~2000年頃に日本でサービス提供を開始した代表的な企業を調べてみました。

外為どっとコムは確かに昔からあるイメージですね。

ふむふむ、どこもまだ残っていますね。

会社名備考
ひまわり証券1999年に日本で初めてFXを取り扱った証券会社の一つ(当時はディーリング・サービス中心)
外為どっとコム2002年創業(日本初の「FX専業業者」としては草分け)
インヴァスト証券旧「エフエックス証券」から発展。2000年代前半からFX事業に本格参入
マネーパートナーズ2005年に参入。当初から低スプレッド・高機能を強みとしたFX専業会社
SBI FXトレードSBIグループのFX会社。設立は後年だが、SBI証券経由でFXサービスは早期から提供

外為ドットコムやマネーパートナーズはFXの老舗って感じがしますね。ひまわり証券は父親も使っていましたが、まだ続いているんですねー。

倒産したFXの会社

私自身は2005年あたりからFXに参入しました。当時も多くの会社が設立されていましたが、つぶれた会社も数多くありました。

気になったので少し調べてみると、2007〜2008年の金融危機を境に多くが破綻・撤退していたようです。

破綻した会社の経緯を調べるとこんな感じ。

  • FX札幌(エフエックス札幌)
    → 2007年10月に破綻。顧客資産を流用し、債権者配当率5%程度にとどまった
  • アルファFX
    → 2007年11月に破綻。顧客資産の返還なし、持ち逃げ疑惑もあり
  • 日本ファースト証券
    → 2008年3月破綻。顧客預かり金の約80%が返還されたが、資産管理不備が指摘された
  • ニッツウトレード
    → 2008年4月破綻。返済ほぼなし、証拠金分別管理不十分とされる
  • JNS(ジェイ・エヌ・エス)
    → 2008年4月破綻。まったく誠実ではない不正業者として知られる
  • FXA証券
    → デイトレ向けにスプレッドが狭かったことで人気。しかし2005年前後に破綻し、準大手ながら消滅。チャートトレーダー(CT)などで愛用されたが現在は撤退済み
  • トウキョウフォレックス
    → 「スプレッド0」を掲げた短資会社。2008年FX事業を譲渡。マネックス証券が引き継ぐ形で撤退。未決済ポジションの強制決済を行う問題が発生

こうみると、やはり運用会社選びは重要ですよね。

今では海外のFX会社は危険とされていますが、当時は国内会社であっても潰れることが多かったです。

FX黎明期 vs 現代FX|10のポイントで徹底比較

FXの黎明期と2025年の現在のFXで何が違うのでしょうか。少し調べてみました。

大きく変わったのは次の10のポイントとなります。

1. 注文方法の違い【電話注文→スマホ完結】

  • 黎明期:電話注文が中心。約定スピードが遅く、スリッページも多かった。
  • 現在:スマホアプリでワンタップ注文が可能。自動売買(EA)やコピートレードも普及。

2. チャート環境の変化【テレビでレート確認→高機能ツール】

  • 黎明期:ブルームバーグTVなどでレート確認。
  • 現在:TradingViewやMT4・MT5で多機能チャートを自由に分析可能。

3. スプレッドの大幅縮小【ドル円10銭→0.2銭時代】

  • 黎明期:ドル円で5〜10銭が普通。高スプレッドで短期取引は非現実的。
  • 現在:ドル円は0.2〜0.3銭が主流。スキャルピングにも対応。

4. スワップポイントの変化【高金利通貨ブーム】

  • 黎明期:ZAR/JPY(南アフリカランド円)で1日100円以上のスワップも。
  • 現在:低金利環境でスワップ水準は減少傾向だが、比較サイトなどで可視化。

5. 取扱通貨ペアの拡充【主要通貨のみ→マイナー通貨も】

  • 黎明期:ドル円、ユーロドルなど数種類。
  • 現在:50通貨ペア以上が一般的。メキシコペソ、トルコリラなども人気。

6. レバレッジ規制【400倍→25倍】

  • 黎明期:一部で400倍超のレバレッジが可能。
  • 現在:個人投資家は最大25倍まで(金融庁の規制)。

7. 最低取引単位【1万通貨→1通貨からOK】

  • 黎明期:最低1万通貨が多く、資金が必要。
  • 現在:SBI FXトレードなどでは1通貨から取引可能。少額から練習しやすい。

8. 取引手数料【有料→完全無料】

  • 黎明期:スプレッドとは別に取引手数料あり。
  • 現在:ほとんどの国内FX業者が完全無料。実質コストはスプレッドのみ。

9. 資産の安全性【顧客資産流用も→信託保全義務化】

  • 黎明期:破綻時に顧客資金が戻らないケースも多発。
  • 現在信託保全が義務化され、万が一の破綻でも資金は保護される。

10. 情報量・学習環境【手探り→豊富な学習リソース】

  • 黎明期:情報が少なく、独学中心。
  • 現在:YouTube・書籍・セミナー・ブログ・SNSで無料情報が充実。

ふむふむ・・・。

いやー黎明期すごい。

特にスプレッドが広すぎる・・・。よくこの状況で父親勝ってたな💦 レバレッジについては個人的には100倍くらい欲しいところです。これは昔の方が良かったなあ。

黎明期で特にすごいのは電話取引ってところです。私がFXが開始した時はすでにネットでの取引でした。電話取引・・・イメージが付かない笑

なので、電話取引どんな感じだったのか父親に聞いてみました。

こんな感じのやり取りだったそうです。


(父親)
「お世話になってます。○○です。今のドル円、いくらですか?」

(ディーラー)
「○○様、こんにちは。現在のドル円は、120円50銭–55銭です」

(父親)
「じゃあ…成行で、1万ドル買いでお願いします」

(ディーラー)
「1万ドル買いですね、120円55銭でよろしいですか?」

(父親)
「はい、それで」

(ディーラー)
「承りました。ドル円、1万ドル買い、120円55銭で約定です」

(父親)
「はい、ありがとう」

(ディーラー)
「また動きがあればご連絡差し上げます」


基本的にはディーラーがレートを伝えて「買い」「売り」そしてロット数を伝えるという形だったそうです。

少し詳しく解説すると

「○○様、こんにちは。現在のドル円は、120円50銭–55銭です」

の 50銭が「Bid(売値)」、55銭が「Ask(買値)」ということですね。

すごいですねー。相場が安定している時間だとすんなりと注文が通ったそうです。

ですが、これが荒れている時は・・・。


(ディーラー)
「○○様!ドル円急落しています!今119円20銭–30銭です!」

(父親)
「えっ!?さっきまで120円台じゃなかったの?」

(ディーラー)
「はい、米雇用統計が予想より悪く、一気に売りが殺到しています!今…あっ、もう119円ちょうど–10銭です!」

(父親)
「やばい…成行で1万ドル買い!」

(ディーラー)
「1万ドル買い、ただいま…すみません!118円85銭–95銭に下がりました!どうされますか?」

(父親)
「…それでも買いだ!95銭で!」

(ディーラー)
「承知しました!ドル円1万ドル買い、118円95銭で約定!……おっと、もう118円70銭です!」

(父親)
「は、早っ…損切り118円50銭に入れて!」

(ディーラー)
「了解!118円50銭で逆指値設定しました!」


ちょっと大げさかもしれませんが、緊迫した状況だとディーラーもかなり焦っている感が伝わってきたそうです。

やはり荒れている時はスプレッドも開くのは今も同じですね。

レートが刻々と変わるのは今も同じですが、注文が人と人なのでより臨場感があったみたいです。

ふむふむ。なかなか勉強になりました。

EAを開発していると、スプレッドの狭さが成績に直結することは身をもってわかっていますが、黎明期のようにスプレッドが広い時代であっても、利益を出していた父親の偉大さをあらためて感じました。

まあ、このスプレッドですから、デイトレで稼ぐというのはほぼ無理だったようです。スイングがメインとは言っていましたね。

ちなみに私の母親もFXを同時に父親と始めていました。父ほど派手に売り買いをしていませんでしたが、のんびりと年単位で利確して稼いでいたのを覚えています。

詳しくは聞きませんでしたが、為替でかなり稼いだということで海外旅行に行ったこともあったなあー。いくら稼いでいたんだろう・・・。

ちなみに父親はスイスフランショックで一晩に数百万円の損失・利益を出したこともあります。話を聞くとかなり面白かったのでまた、記事にまとめてみたいと思います。

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