スワップポイントとは?仕組み・メリット・デメリット

FXビギナー

「スワップポイント」という言葉を聞いたことはあるけれど、仕組みがよく分からない…
そんな初心者の方も多いのではないでしょうか。

スワップポイントは、FXならではの収益源のひとつです。
うまく活用すれば「毎日コツコツ収益が積み上がる」投資スタイルが可能になりますが、同時にリスクも存在します。

この記事では、スワップポイントの仕組みやメリット・デメリット、注意点を初心者向けに分かりやすく解説します。

じれら
じれら

スワップポイントの仕組みの理解は非常に大事ですよ!


スワップポイントとは?

スワップポイントとは、通貨ペアの金利差によって生じる利益(またはコスト)のことです。

世界の通貨にはそれぞれ政策金利があります。
金利の高い通貨を買って、金利の低い通貨を売ると、その差額が「スワップポイント」として毎日受け取れる仕組みです。

例:ドル/円の場合

  • 米ドル金利:5.0%
  • 日本円金利:0.1%

この場合、米ドルを買って円を売るポジションを持つと、
5.0% – 0.1% = 4.9%分の金利差 が利益(スワップポイント)として受け取れます。

もう少しかみ砕いて説明します。

  • メリカの政策金利が 5%
  • 日本の政策金利が 0.1%

だとします。

このとき、ドル(USD)を持つと 年5%の利息 を受け取れるのに対し、
円(JPY)を持っていても ほとんど利息がつきません

では、ドル円ロング(=ドルを買って円を売る)とは?

「ドル円を買う(ロングする)」とは、
簡単に言うと ドルを持って円を借りる ことです。

つまり

  • あなたは日本の金利(0.1%)で円を借りて、
  • そのお金でアメリカの金利(5%)がつくドルを持っている状態になります。

このとき、差額(5%−0.1%=4.9%)のぶん、
あなたが得をする(金利差をもらえる) というわけです。

それが「スワップポイント」です。

じれら
じれら

逆に、米ドルを売って円を買うポジションでは、金利差を支払う必要があり、マイナススワップになります。


スワップポイントの仕組み

  • 各国の金利差に基づいて算出される
  • FX会社ごとに条件や金額は異なる
  • 毎日決済時に付与または引かれる(ポジションを持ち越すと発生)
  • 土日分はまとめて付与される(通常は水曜または木曜に3日分が加算
じれら
じれら

例えばドル円だと、1万通貨をロング(買い)で、1日当たりスワップポイントとして150円前後得ることができます。


スワップポイントのメリット

① 保有しているだけで利益が積み上がる

スワップポイントの最大の魅力は、「取引をしなくても利益が入る」という点です。

たとえば、
アメリカの金利が5%、日本が0.1%のときに「ドル円を買って(ロングして)」保有していると、
毎日少しずつスワップがもらえます。

実際、1万ドル(約150万円)を持っていて、
1日あたり100円のスワップがもらえるとすると――
1か月で約3,000円、1年では36,000円ほどの金利収入です。

「為替が動かなくてもお金が入ってくる」点が、
株の配当金や債券の利息に近い、スワップ投資の魅力です。

じれら
じれら

保有していると、というところがポイントです。何もしなくてもスワップとしてお金が入ってきます。不労所得と言えますね。


② 長期投資に向いている

スワップ投資は、短期トレードのように値動きを追い続ける必要がありません。
むしろ「時間を味方につける投資」です。

為替レートは日々上下しますが、スワップは毎日コツコツと積み上がるため、
長期で保有することで着実に利益を積み上げることができます。

特に、メキシコペソや南アフリカランドなどの高金利通貨では、
スワップ収入が年間で数%にもなるケースもあります。
焦らずに数か月〜数年というスパンで持つのが、スワップ投資の基本スタイルです。

じれら
じれら

ちなみにスワップもわずかですが変動します。特に国の政策金利が引き上げられたり、引き下げられた時は要注意です。


③ 為替差益とダブルで利益を狙える

スワップ投資のもう一つの魅力は、「二重の収益チャンス」があることです。

もし円安方向(=ドル高)に進めば、
スワップポイントに加えて為替差益も得られます。

たとえば、ドル円を140円で買って、1年後に150円になった場合、

  • 1ドルあたり10円の値上がり益
  • さらに1年分のスワップ(たとえば36,000円)

という「ダブルの利益」を得られる可能性があります。

為替相場が大きく円高にならない限り、スワップ投資はじっくり資産を増やせる戦略になり得ます。

じれら
じれら

ここ最近の日本円に対する円安相場ですと、スワップ狙いの人はかなり利益が出ているのではないでしょうか。円高になると当然含み損を抱えることになります。


④ 複利効果が期待できる

スワップで得た利益をそのまま再投資(再度通貨を買うなど)すれば、
次からは「元本+利益」に対してスワップがつきます。

これを複利効果といいます。
銀行預金ではほとんど感じられないほど小さな利息ですが、
高金利通貨でスワップを積み重ねると、この複利効果がじわじわ効いてきます。

たとえば、最初に100万円でスタートし、
スワップで得た数万円を再投資に回していけば、
数年後には「雪だるま式」に利益が増えていくのです。

じれら
じれら

この複利効果というのが、なかなか馬鹿に出来ません。具体的なやり方はまた別記事で解説していきたいと思います。


💬 まとめ

スワップポイント投資の魅力は「コツコツ型の資産形成」ができる点にあります。

ただし、為替が大きく円高に動くと、スワップで得た利益以上に評価損が出ることもあります。
「安定収入」ではなく、「リスクを理解した上で長期で育てる投資」として考えるのがポイントです。


スワップポイントのデメリットと注意点

スワップポイントは、毎日コツコツ利益が積み上がる魅力的な仕組みです。
しかし当然ながら、良い面ばかりではありません
ここでは、スワップ投資で注意すべき4つのデメリットをわかりやすく解説します。


① 為替変動リスクがある

スワップで利益を得ていても、為替レートが逆方向に動けば、
含み損が一気に膨らむ可能性があります。

たとえば――
メキシコペソ円(MXN/JPY)を高金利狙いで買っていたとしましょう。
1ペソ=8.0円のときに10万通貨を購入し、
1日あたり150円のスワップがもらえるとします。

1か月で約4,500円のスワップ収入ですが、
もし相場が7.5円まで円高になれば、評価損は5万円です。
(=0.5円 × 10万通貨)

つまり、「スワップで儲けても、為替で損する」ということが起こり得ます。
スワップ投資をする際は、為替変動を無視してはいけないのです。

じれら
じれら

為替の動き、つまり未来の予想は誰にもできません。そのため、スワップを大きく得たいと大量に通貨を保有することで、レートの変動により含み損が運用資産を上回ってしまうと、折角稼いだスワップを失うどころか、資産を大幅に減らしてしまう、ということが起こってしまいます。


② マイナススワップの存在

スワップは「必ずもらえる」ものではありません。
通貨の組み合わせ(ペア)やポジションの方向によっては、
スワップを支払う側になることもあります。

たとえば、
・ドル円の「買い」→スワップを受け取る(米国の金利が高いため)
・ドル円の「売り」→スワップを支払う(日本の金利が低いため)

また、同じ通貨でも時期によって金利差が逆転することがあります。
高金利通貨を売るポジションを長期間持つと、
「保有しているだけで毎日マイナスが積み上がる」ケースもあるので要注意です。

じれら
じれら

基本的には、買い(ロング)でスワップが付く場合、売り(ショート)だとスワップがマイナスになります。つまり、日々資金からスワップ分減っていくということになります。


③ FX会社によって条件が違う

実は、スワップポイントの金額はFX会社ごとにバラバラです。

同じドル円の買いポジションでも、
A社では「1日80円」、B社では「1日60円」といった違いがあります。

この差は年間にすると数千円〜数万円の違いになることも。
スワップ投資を目的にするなら、
「どの会社が高スワップを提供しているか?」を必ず比較しておきましょう。

ただし、「高スワップ」=「安全」とは限りません。
無理な条件で集客している海外業者などもあるため、
信頼性(金融庁登録の有無など)もチェックすることが大切です。

じれら
じれら

基本的には国内業者を選ぶと良いです。海外業者はスワップも低く、信頼性も国内業者よりも低いです。また、税制面でも海外業者は総合課税となるため、不利な点が多いです。


④ 金利は変動する

スワップのもとになる政策金利は常に変動します。
経済状況やインフレ率によって各国の中央銀行が金利を上下させるため、
昨日まで高スワップだった通貨が、
数か月後にはスワップが半減…ということも珍しくありません。

実際、2020年前後にはトルコリラの金利が急低下し、
それまで高スワップで人気だったトルコリラ円の魅力が一気に薄れました。

つまり、スワップ投資を続けるためには、
各国の金利動向や金融政策の変化を定期的にチェックする習慣が欠かせません。

じれら
じれら

習慣とまでは大袈裟ですが、政策金利を気にした方が良いです。5.0%が一気に0%なんてことはまずありえませんが、年に1~2%下がることは普通にあります。逆に上がることもありますけどね。


💬 まとめ

スワップ投資は「金利差を味方につける戦略」ですが、
為替変動や金利の変化、業者選びの違いなど、見落としやすいリスクもあります。

スワップを受け取ることばかりに目を向けず、
「長期でリスクを取っても良い通貨か?」「急変時に対応できる資金管理か?」
を冷静に判断することが、安定した運用につながります。


スワップ投資に向いている通貨ペア

代表的な高金利通貨として、以下のようなものがあります。

  • メキシコペソ(MXN/JPY)
  • 南アフリカランド(ZAR/JPY)
  • トルコリラ(TRY/JPY)

近年では米ドルや豪ドルも比較的高い金利を維持しており、人気の対象となっています。

じれら
じれら

トルコリラについては正直お勧めできません。メキシコペソ、南アフリカランドあたりがお勧めですね。



まとめ

スワップポイントは、通貨ペアの金利差から生じる利益であり、FXならではの魅力的な収益源です。
長期投資やコツコツ資産形成を考えている人に向いていますが、為替変動やマイナススワップといったリスクも存在します。

これからスワップ投資を検討する方は、

  • FX会社選びが重要(スワップ額の差が大きい)
  • 為替変動リスクを常に意識する
  • 資金管理を徹底(証拠金維持率に余裕を持つ)
  • 長期的な視点で運用(短期では旨味が少ない)

をしっかり考えたうえで取り組むことが大切です。

では、次にスワップ投資に向いたFX会社を紹介したいと思います。

コメント